どうもパセリです
皆様はオーバーヒートをご存知でしょうか?車や特にバイクにお乗りの方は名前くらいは聞いた事があるのではないでしょうか?このオーバーヒートを知っておかないと人間も機械もえらいこっちゃになってしまいます。今回はオーバーヒートの危険性についてお話したいと思います。是非自分の事の様に考えてみてください。
このオーバーヒートという現象なのですが、ざっくり言うと名前の通り加熱し過ぎで起こる動作不良の事を言います。車やバイクは主に燃料を燃やして爆発させて走らせています。その爆発をどこで収めているかというとファンタジーの様に消えて無くなってる訳では無く、金属の筒の中で爆発が起きておりそれを原動力に変えて走っているというわけなのです。ですが、その部材にも適正温度というものがあります。その温度の限界を突破すると機械の動作に支障をきたすことになるのです。
そう、これ人間でいう所の熱中症なのです。
この図で示すのは100 年あたり 0.85℃の割合で気温が上昇しています。 日本の年平均気温は、世界の年平均気温は2倍近い上昇率になっています。夏になると毎日が猛暑日。外を出ると救急車とすれ違う日々でとても暑く怖い世の中になって言ったな〜と思うのですがこんだけ暑かったら人間もオーバーヒートしてしまいます。
この人間のオーバーヒートと機械のオーバーヒート具体的にどうヤバイのか見ていきましょう
人間と機械のオーバーヒートの症状?
冒頭でもお話しした様にオーバーヒートは熱く(暑く)なり過ぎておかしくなっちゃう状態のことをいいます。
人間の主な熱中症の症状としましては足・腕・腹部などの筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こる熱痙攣や大量の汗をかき、水分の補給が追いつかない場合には脱水症状で起こる熱疲労「めまい」「失神」などの熱失神一番死亡率の高い熱射病などがあります。
機械の主な症状としては機械の場合、性能低下(熱ダレ)から始まり(アイドリング不安定や加速不調)や高温になり過ぎたためにエンジン内部が歪み変形することでガスケットが異常をきたし不良になる症状のガスケット抜けや、潤滑する油の膜が切れて摺動(シュウドウ)する部分が摩擦熱により融着するカジリや焼きつき、単純に火を吹く発火などもうブッ壊れレベルで起こる故障ばっかなのです。
人間でいう熱痙攣が機械でいう熱ダレで、熱疲労や熱失神がガスケット抜け、カジリや焼きつきが熱射病という具合ですかね。
機械でも人間でも症状でもまだマシなのが、熱ダレやめまいや痙攣はまだ走って冷ましたり、木陰に避難して冷ましてあげたりで回復する見込みはあるので可愛いものなのですが、(とはいえヤバイ)
カジリや焼きつき、熱射病で起こる脳・心・肺・肝・腎など全身の臓器障害を併発する可能性のあるエンジン内部、臓器内部の物理的なダメージは確実に修理(治療)しなくていけない故障。ほうって置いて治るものではないです。気をつけましょう
人間と機械のオーバーヒートの対策
と話しを戻して人間のオーバーヒートの症状は熱痙攣、熱疲労、熱射病で機械のオーバーヒートの症状は熱ダレ、ガスケット抜け、カジリ、とどれもヘビィな事ばかりこの対策なのですが、
人間の熱痙攣の対策
人が汗をかくと、体内の水分と塩分が失われます。汗の中の塩分濃度は血液中の塩分濃度よりも低いため、大量の汗をかくと、血液中の塩分濃度が上昇します。このようなときに水分だけを補給すると血液中の塩分濃度が低下し、その結果、足・腕・腹部などの筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。これを熱けいれんといいます。暑熱環境下で長時間の運動をして大量の汗をかいたときに起こる症状です。水だけでは塩分が足りません。なので塩分(ナトリウム)が入った飲み物を摂取してください。そして炎天下の中での運動はなるべく避けましょう。
機械の熱ダレの対策
必要以上の温度(高温)になる事で、エンジンオイルの粘度が下がりエンジン内部の気密性がなくなり性能低下につながります。エンジンのパワーの出力にはシリンダーとピストンの圧縮を爆発させる工程があるのですが、シリンダーとピストンには少しのクリアランス(隙間)がありそれをエンジンオイルで密閉して圧縮をしているのですがオイルの粘度が足りずその圧縮ができず力が不十分になるという理屈なのです。エンジンが始動する過程でいい火花。いい混合気(ガソリンは混ざった空気)。いい圧縮という言葉がある通り圧縮はとても大事なのです。
対策としては走るか涼しい所を走る他ありません。こういう症状になる場合は大抵、炎天下の中の渋滞にはまって十分に走れていない。また、走ってもすぐに信号で停車してしまうなど、冷やせるだけ走れていない場合が大きいです。しかし、渋滞や信号走りたくても走れない場合は木陰で涼むという対策。エンジンも切り冷ましてあげましょう。かなり原始的な対策ですが(対策なのか?)こればっかりはしょうがないですね。
そして、特に注意するのが空冷タイプの自動車。自動車、オートバイは水冷、油冷、空冷と熱対策はされているのですが、初期も初期なクラシックが売りの空冷タイプは走るしか冷却方法はありません。というかオーバーヒートになりやすいのは断然このタイプ。今はもう空冷の車両は作られていないと思うのですが、規制が緩くメーカーもアソビゴコロ満載で作られた往年のバイク(いわゆるバイク全盛期)だった頃の車両に多く見られますね。この頃の車両は注意する点はたくさんあるのですが、やはり乗り味の点や特化した性能だったり今の時代では不可能な味付けがたくさん施されていたので楽しい乗り物には違いないはずです。
ちなみにエンジンがアッチンチンだからと言って冷やしたれぇ〜と水などを直接かけるのはやめましょう。急な温度の低下によりエンジンの本体にヒビが入る事があります。これは熱膨張してる部分とそうでない部分の差によるもので成形を保てなくなり本体にヒビが入ることがあります。
ご自身でトドメの一発をしてしまうことになりますのでお気をつけください。
人間の熱疲労、熱失神の対策
大量の汗をかき、水分の補給が追いつかない場合には脱水症状が起こり、熱疲労の原因となります。熱疲労になると、脱力感・倦怠感・めまい・頭痛・吐き気などの症状が現れます。熱失神は暑熱環境下では、体温調節のために皮膚の血管は拡張します。このような皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少して起こるのが熱失神です。熱失神になると脈は速く弱くなり、顔面が蒼白となったり、呼吸回数が増加、唇のしびれなどの現象が現れます。これらの症状は長時間立っていたり、急に立ち上がったときや運動後などに起こりやすくなります。良く言う学校なので見られる全校朝礼などでバタンキュウしてしまう人たちのことを言いますね。もう涼しい所で休むしかないのです。
機械のガスケット抜けの対策
エンジンは各ブロックごとに別れて組み付けられています。その相面(相対する面)からオイルが出ない様にまた気密性を高めるためにガスケットを使用するのですが、高温のため熱膨張を起こしエンジンが歪み、変形を起こしてガスケットが抜ける事を言います。もう内部に手が入っちゃってるので対策も何もありません。修理工場に持っていきましょう。
あえていうならこうなる前に予兆があります。回転の急な落ち込み、加速の無さ、そうなると終わりの始まりが見えきます。冷静に落ち着き休みましょう。
そして、夏が来る前に質の高いオイルを使う事。オイルの値段もピンからキリまで。ケミカルの質はあからさまに値段に反映されます。高ければいいのか?という事ではないのですが。高いやつには理由があります。ケミカルに関してはブランド品の様に名前で値段が上がる事はありません。成分で値段が決まっています。なので熱に強い質のいいオイルを使ってください。
熱射病
熱中症の中で最も危険なのが、「熱射病」です。高温環境下で激しい運動を行うと、運動によって発生した熱が体の表面から放散することができずに、その結果体温が上昇して脳の温度も高くなり、体温の調節中枢に障害が及ぶと熱射病になります。熱射病では異常な体温の上昇(39℃以上)と種々の程度の意識障害(応答が鈍かったり、言動がおかしかったり、意識がなくなるなど)が特徴で、頭痛や吐き気、めまいなどの前駆症状やショック状態などもみられたりします。また血液の凝固因子が消耗して血液が固まらなくなったり、脳・心・肺・肝・腎など全身の臓器障害を併発することが多く、死亡率も高くなります。重度の場合は後遺症を残す事もある大変危険な状態です。とにかく体を冷却し一刻も早く救急車を呼ぶか病院へ連れて行ってください。
カジリ
出典:https://images.app.goo.gl/EBAv9JpD7jGm58AaA
エンジンの内部はいくつものパーツが折り重なりオイルを通して触れ合い動いてます。オイルの膜は(油膜というヤツ)それは摩擦を軽減する役目や冷却様々。その膜も高温になり切れてしまうとカッタい金属同士でこすり合いその熱で融着してしまいロック。一体化してしまいます。
もっとひどい現象が焼きつき。これはピストンとシリンダーの中の油膜が切れてしまい、シリンダーとピストンの間のクリアランスも熱膨張によりピッタリフィットしてしまい、多い日も安心モレ安心となってしまいます。
出典:https://images.app.goo.gl/jbDQwcrMDs2TUGj56
そうなるとエンジンブローして一発お釈迦になってしまいます。
これも対策も何もなし。結果論でこうなってしまいました候という感じなのでこれも早めの気づきが大切ですね。熱ダレが出たら休みましょう。。。
そして、これを回避できるのが質のいいオイルに質のいい添加剤を入れる事。オイル添加剤はオイルより高い物もあるほどにオイルの性能を向上させる物があります。さすがに限度はあるかと思いますが、よほどの事がない限り油膜が切れる心配を無くしておきましょう。
人間と機械のオーバーヒートの予防
人間でも機械でもオーバーヒートはとても怖い事はわかりました。すぐに気づき対応すると意識付けが大切ですが、予防を怠らない事も大切です。
人間の場合は特に真夏日と呼ばれる日は涼しい服装、直射日光を浴びない、こまめな水分補給。この予防対策を頭に入れて環境に順応してください。
機械の場合も同じです。走って冷ます。(涼しい服装)木陰で一休み(直射日光を浴びない)。油膜切れを起こさない(水分補給)という事が大事です。機械で言う水分補給はオイル交換です。暑く熱くなる前にオイルの質はこだわり。人間も機械も健康で過ごしましょう。